生成系AI「Gemini」とは?モデルや料金の基本情報と活用事例を紹介

Geminiは、Googleが開発した生成系AIで、最新のテクノロジーにより業務の効率化や創造性の向上を支援します。テキストや画像、音声など多様なデータ形式を処理する能力を持ち、幅広い分野での活用が期待されています。個人利用から業務支援ツールまで対応できる柔軟性と高度な推論能力が特徴で、ビジネスシーンに革新をもたらすとして注目を集めているツールです。 今回は、Geminiの特徴、モデルの種類、搭載サービス、料金などを詳しく解説します。導入を検討されている担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。


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Geminiとは

Gemini(ジェミニ)は、Googleが開発した生成系AIのモデル名です。生成系AIとして、さまざまなタスクに対応する能力を持つため、特に質の高い結果が求められる場面で活用が期待されています。

まずは、その特徴や、同じく生成系AIとして有名なChatGPTとの違いについて解説します。

Geminiの特徴

Geminiの主な特徴として、下記の点があげられます。

・マルチモダリティに対応
テキスト、画像、音声など、複数の種類のデータを統合的に処理できます。

・高度な推論能力
複雑な情報を正確に理解し、それをもとにした推論が可能です。例えば、複数のデータソースから結論を導き出すようなシナリオで役立ちます。

・質の高いコード生成
ソフトウェア開発の現場で役立つ、精度の高いコードを生成する機能も備えています。

GeminiとChatGPTの違い

GeminiとChatGPTはどちらも高度な生成系AIですが、それぞれに異なる特徴があります。

Geminiはテキスト、画像、音声といった複数のデータ形式を学習し、それをもとに推論や生成を行える点が特徴です。マルチモダリティに対応した複雑なタスクや幅広い用途に適しています。一方で、ChatGPTは主にテキストデータを学習しており、自然な文章の生成やテキストベースのタスクに特化しています。

ChatGPTは日常的な会話やテキスト処理の幅広い場面で使いやすい一方、画像や音声の処理は得意ではなく、推論能力においてはGeminiのほうが優れています。反対に、Geminiは用途が特化していることが多く、汎用性においてはChatGPTが優れているといえます。

これらの違いから、利用目的やシーンに応じて適切なモデルを選択することが重要です。

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Geminiでできること

GeminiはGoogleが開発した生成系AIで、幅広いタスクに対応できる多機能なモデルです。次に、Geminiができることを具体的に解説します。

Geminiの主な機能

Geminiには下記のような機能があります。

・文章やリストの作成
・情報の検索
・アイデア出し
・画像の認識、解析、解説
・テキストの要約、翻訳、校正
・コード生成
・論文や数学の問題の解説
・音声入力
・画像生成
・Googleアプリとの連携

これらの機能は、日常的な業務や専門的な作業を効率化するのに役立ちます。

Geminiの主な活用シーン

Geminiは下記のようなビジネスシーンで活用され、業務の効率化や生産性向上を実現します。

・商談や会議の音声に基づいた議事録作成
・コーディング作業の補助
・外出時の効率的なルートとその交通費の計算
・メールのチェックと下書きの作成
・Webページから情報を抽出して概要をテキストで作成
・企画やコンテンツのアイデア出し

Geminiのモデル

GeminiはGoogleが提供する生成系AIで、さまざまな用途やニーズに応じて選べる複数のモデルが用意されています。ここでは、各モデルの特徴と用途について解説します。

Ultra(バージョン1.0)

Ultraは、Geminiシリーズの中で最も高性能なモデルです。大量のデータを処理できる能力があり、複雑で高度なタスクに対応可能です。例えば、大規模なデータ解析、複雑な推論、または高度な生成タスクに適しています。

このモデルは、特に研究機関や高度なAI活用が求められるプロジェクトに向いています。

Pro(バージョン1.0/1.5)

Proは汎用性が高く、幅広いタスクに対応できるバランス型のモデルです。一般的な業務や中規模プロジェクトにおいて最適な選択肢であり、データ分析やテキスト生成、画像解析などの多様な用途に適しています。

コストパフォーマンスを重視しながらも高い性能を発揮します。

Flash(バージョン1.5)

Flashは、軽量で高速なモデルで、リソース効率が高い点が特徴です。リアルタイム性が求められるタスクや、コスト重視のプロジェクトに適しています。例えば、チャットボットやリアルタイムのデータ処理を必要とするサービスでの利用が考えられます。

Nano(バージョン1.0)

Nanoは、モバイルデバイスやリソースが限られた環境向けに設計されたモデルです。小型デバイス上で迅速な応答を可能にし、ネットワークに接続せずに動作できる点が特徴です。Google Pixelシリーズに搭載されているGemini Nanoはこのモデルに該当します。

軽量かつ高い効率性を持ちながら、必要な機能を搭載しているのが魅力です。

Geminiが搭載されているサービス

Geminiは、Googleが提供するさまざまなサービスや製品に搭載され、それぞれの分野で活用されています。

Vertex AI

Vertex AIはGoogle CloudのAI開発プラットフォームで、2023年12月からGemini ProがGemini APIとして利用可能になりました。

APIを通じてGeminiの基盤モデルを活用したアプリケーション開発が可能になったことで、AI開発がさらに効率化されています。

Google Pixel

Google Pixelシリーズでは、Gemini Nanoが搭載され、モバイルデバイス向けに最適化されています。具体的には下記の機能が利用可能です。

・レコーダーアプリにおける自動要約機能
・Gboardキーボードのスマートリプライ機能

最新モデル「Pixel 8 Pro」では、録音データを10秒で要約できる機能が追加されており、効率的な情報管理が可能です(現在対応言語は英語のみ)。

Google Bard

Google BardはGemini Proを搭載しており、より高度な会話型AIを提供しています。将来的には「Bard Advanced」がリリースされる予定で、マルチモーダルデータや新しい地域・言語への対応が拡大される計画です。

Google Map

2024年10月、Google MapとGeminiが統合されました。パーソナライズされたルート案内やリアルタイムの交通情報、気象条件の提供が可能となり、ナビゲーション体験が大幅に向上しました。

Geminiの利用料金

Geminiの利用料金は、個人向けからビジネス向けまで用途に応じて選べるプランが豊富に揃っており、それぞれのニーズに応じたプランが選べます。

プラン名 料金 特徴
Gemini 無料 Flash(バージョン1.5)を搭載しており、基本的な機能を個人で利用可能。
Gemini Advanced 月額2,900円 Flash(バージョン1.5)を搭載しており、Google Oneのストレージ特典(2TB)も利用可能。
Gemini for Workspace – Gemini Business  

月額2,260円/1ユーザー当たり

※年契約の場合

Gemini Advancedにアクセス可能で、中規模ビジネス向けの機能を搭載。
Gemini for Workspace – Gemini Enterprise  

月額3,400円/1ユーザー当たり

※年契約の場合

Geminiのすべてのアクセス権と利用が可能で、大規模企業向けの高度なAIソリューションを搭載。

Geminiを利用するまでの流れ

最後に、Geminiを利用する際の手順を解説します。

1. Googleアカウントを作成
Geminiを利用するにはGoogleアカウントが必要です。すでにアカウントをお持ちの方はこのステップをスキップできます。

2. Gemini公式サイトへアクセス
ブラウザでGeminiの公式サイトを開きます。

3. 「Geminiと話そう」のボタンをクリック
トップページに表示されているボタンをクリックして利用を開始します。

4. 利用規約とプライバシーを閲覧し、同意ボタンをクリック
サービスを利用する前に規約を確認し、同意ボタンをクリックしてください。

5. ポップアップの「Geminiへようこそ」を閲覧し、続けるをクリック
ウェルカムメッセージを確認した後、「続ける」をクリックします。

6. チャット入力画面が表示されプロンプトの入力が可能になる(終了)
利用準備が完了し、画面上の入力欄に質問や指示を入力することでGeminiとの対話が始まります。

まとめ

Geminiは、Googleが提供する生成系AIとして、幅広いタスクやニーズに応じた多機能性を持ち、多彩なモデルやサービスに搭載されています。業務効率化や生産性向上を目指す個人から企業まで、柔軟に対応できる点が魅力です。

業務改善に関心がある方は、本記事を参考にGeminiの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

※この記事は、2024年12月時点での情報です。