Claudeとは?ChatGPTとの違い、利用シーンも解説

生成系AI市場の新たな注目株「Claude(クロード)」は、企業の業務効率化や生産性向上をサポートするツールです。高度な言語生成、データ解析、音声・画像処理など、さまざまな業務に対応できる柔軟性を備えています。業務改革を進めたいと考えている企業にとって、Claudeは有力な選択肢となるでしょう。 今回は、Claudeの概要や活用シーン、ChatGPTとの違いなどについて解説します。


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Claudeとは?

有名な生成系AIには、ChatGPTやMicrosoft Copilot、GoogleのGeminiなどがあげられますが、その中で2023年3月に登場した「Claude(クロード)」も注目を集めています。

まず、Claudeとは何かを詳しく説明します。

Claudeの概要

Claudeは、2021年にOpenAIの元幹部によって設立された新興企業「Anthropic」が開発した生成AIです。設立からわずか数年で、AmazonやGoogle、Salesforceといった大手テクノロジー企業やベンチャーキャピタルから巨額の資金調達を受けており、その成長スピードと実力が注目されました。

Claudeは、AIの安全性と倫理を重視しており、有害なコンテンツの生成を抑制するためのガイドラインを徹底しています。そのため、企業がAIを導入する際に、安全かつ効果的に利用できる点が評価されています。

また、生成される文章の自然さや精度の高さも、ChatGPTを超えると言われるほどです。さらに、2023年10月には日本語対応も開始され、日本企業にも利用の幅が広がっています。

Claudeの活用シーン

Claudeは、さまざまな業務シーンで活用できるAIです。主な活用例は下記の通りです。

・自然な対話
・コピーライティングやチャットボット
・長文生成や要約
・複雑な財務予測
・Slack連携によるワークフロー構築
・Pythonコード生成
・視覚的入力の処理と分析
・画像からのコード生成
・視覚障害者向けの画像説明

これらの多岐にわたる機能により、Claudeはさまざまな業務領域で活用可能です。

Claudeの新機能「Artifacts(アーティファクト)」とは

2024年6月に公開されたClaude 3.5 Sonnetに新たに導入された「Artifacts(アーティファクト)」は、生成AIとの対話中に視覚的なコンテンツをリアルタイムで生成し、即座に表示・編集できる画期的な機能です。

この機能によって、AIとのやり取りが単なるテキストベースにとどまらず、視覚的なコンテンツも即座に生成できるため、作業効率が大幅に向上します。

「Artifacts」機能では、下記のようなコンテンツが作成可能です。

・マーメイド図(フローチャートやシーケンス図などの視覚的なデザイン)
・ベクターグラフィック(SVG形式での画像生成)
・簡単なゲーム(JavaScriptベースのミニゲームなど)
・Webサイトのプロトタイプ(HTML/CSSベースでUIデザインの作成)
・フローチャート(業務プロセスや意思決定フローなど)
・シンプルなアプリ(アプリケーションのプロトタイプ)
・リッチなプレゼン用スライド(プレゼン資料の作成)

以前は、Artifacts機能は有料プランに加入しているユーザーのみが利用できましたが、最新のアップデートにより、無料ユーザーにも開放されました。

この変更により、より多くのユーザーがこの機能を活用し、業務の効率化やアイデアの具現化を迅速に行えるようになりました。

ClaudeとChatGPTとの違い

生成AIの分野で注目される「Claude」と「ChatGPT」は、それぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、Claude 3 SonnetとChatGPTの最新モデルGPT-4oを比較し、それぞれのメリットを解説しましょう。

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料金

ClaudeとChatGPTの両方には無料プランがあり、有料プランはどちらも月額20米ドルで提供されています(いずれも企業向けプランあり・要問い合わせ)。

無料プランでも基本的な機能を利用できるため、まずは試してみて、その後必要に応じて有料プランを選択することができます。

一度に読み込める文字数

Claude(有料版)は一度に最大約15万文字を処理することができ、これに対してChatGPT(有料版)は最大約2.4万単語まで対応可能です。

この点において、Claudeは圧倒的に多くの情報を一度に処理できるため、大量のデータを扱う業務に向いているといわれています。

画像入力・生成の対応

両者は画像入力に対応していますが、画像生成については差があります。Claudeは画像生成機能を持っていませんが、ChatGPTの有料版(GPT-4o)では画像生成が可能です。この機能にはDALL-Eが用いられています。

インターネット接続の有無

Claudeはインターネットに接続されていません。そのため、入力したURLの読み込んみや最新情報の検索はできません。

一方、ChatGPTは新たな検索機能の導入により、全プランでインターネット上の最新情報を引用したり、URLを読み込んでサイトを要約したりすることができるようになりました。情報の最新性が求められる場合、ChatGPTの方が有利です。

出力内容の安全性

Claudeは、出力される内容の安全性に留意しており、「ChatGPTに比べて有害なコンテンツの生成を抑制する能力が2倍優れている」とされています。

企業で利用する場合、安全性の高いAIを選ぶことは重要な要素となります。

Claudeのモデル

Claudeは、複数のバージョンを提供しており、それぞれが異なる性能と用途に対応しています。

2024年10月には、Claude 3.5 Sonnetのアップグレードに加え、新たにClaude 3.5 Haikuが発表されました。主なモデルとその特徴について紹介します。

Claude 3.5 Sonnet

Claude 3.5 Sonnetは、Claudeシリーズの中で最も知的・高性能で、トップレベルのパフォーマンスを誇ります。アップグレードによって速度が大幅に改善され、より高速で効率的な処理が可能になりました。

複雑な問題解決、高度な言語理解と生成が必要なシーンでの使用に適したモデルです。また、戦略的計画や分析を求められる業務にも適しています。

Claude 3.5 Haiku

Claude 3.5 Haikuは、Claudeシリーズの中で最速かつ最もコスト効率の高いモデルです。このモデルは、コード生成、リアルタイムチャットボット、データ抽出とラベリング、コンテンツ分類など、比較的軽量で迅速なタスクに特化しています。

コストパフォーマンスを重視しつつ、高速で効果的な処理が求められる業務に適しています。ビジネス環境での迅速な対応が求められる場面で、特に効果を発揮するでしょう。

Claude 3 Opus

Claude 3 Opusは、数学やコーディングなどの非常に複雑なタスクにおいて、強力なパフォーマンスを発揮するモデルです。Claude 3.5 Sonnetのリリース前には最高性能を誇っていたこのモデルは、今後さらにアップグレードされる予定とされています。

高度な計算や複雑なデータ解析を行う場面で、特にその力を発揮します。複雑なアルゴリズムやデータの解析が求められる業務には最適な選択肢です。

Claudeの利用料金

Claudeは、複数のプランを提供しており、企業の規模や利用目的に応じて選べる料金体系が特徴です。2024年12月現在、Claudeの利用料金は4つのプランに分かれています。

プラン 料金 主な特徴 利用可能モデル
無料版 0円 基本的な機能を提供。最新モデルにアクセスできる。メッセージ数に制限あり。 Claude 3.5 Sonnet
Claude Pro 月額20ドル 無料版の5倍の メッセージ送信が可能。長文生成やデータ解析などに対応。 Claude 3.5 Sonnet

Claude 3 Opus

Claude 3 Haiku

Team 月額25ドル/ユーザー(年額課金)

月額30ドル/ユーザー(月額課金)

5名以上のチーム向けプラン。 Claude 3.5 Sonnet

 

Enterprise 要問い合わせ 大企業向けのカスタマイズプラン。大量のデータ処理や専用サポート。 Claude 3.5 Sonnet

Claude 3 Opus

Claude 3 Haiku

まとめ

Claudeは、生成系AI市場において多くの注目を集めているツールで、企業の業務を効率化する、さまざまな機能を備えています。高度な言語理解やデータ解析、画像や音声対応など、さまざまな業務に対応できる柔軟性が魅力です。また、出力内容の安全性に留意して開発されている点も特徴です。

導入を検討している場合は、まずは無料プランから始めてみてはいかがでしょうか。

※この記事は2024年12月時点の情報に基づいています。