AIの活用で生産性を向上!効率化できる業務や事例、注意点を解説

AIの活用がさまざまな業種で広がっています。業務の効率化や自動化など、自社でもAIを取り入れられないかと気になっている方も多いでしょう。そこで今回は、AI活用で生産性向上を図れる業務や事例、AI導入時の注意点について解説します。


この記事は約9分で読み終わります。

AIで生産性を向上できる業務

ビジネスの現場では、業務効率化や生産性向上を目的に、次のような業務でAI活用が進んでいます。

問い合わせ業務

顧客対応窓口をはじめ、社内のヘルプデスクや社内ナレッジの共有などに、AIチャットボットが活用されています。24時間365日体制で対応を自動化できるため、業務効率化や担当者の負担軽減につながるほか、利用者の満足度向上にも寄与します。

ただし、AIチャットボットは定型的な対応を得意とする一方で、事前に想定されていない質問、複雑な問い合わせなどのイレギュラーな対応は苦手です。導入後も回答の精度を高めていく作業が必要となります。

AIチャットボットのメリットや利用時の注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。

AIチャットボットを使うメリットとは?おすすめツールもご紹介

メールの作成

AIツールを活用すれば、メールの文面を自動生成できます。メールでのやり取りが多い職場では、重要度が高い別の仕事にかけるべき時間が、メール対応に奪われている場合も少なくありません。

そこで、生産性向上に役立っているのがAIツールです。AIが提案した文面を、必要に応じて微調整するだけで済むので、作業時間を短縮できます。定型文の作成から細かいニュアンスの指示まで、用途や希望に合った使い方が可能です。

文面を考える際に相手への配慮が必要なビジネス上の不採用通知、お礼メールなどの作成でもAIツールが活躍しています。

資料作成

AIツールによっては、社内資料やプレゼン資料の自動生成も行えます。誰でも一定の質で資料を作成できるようになるので、属人化の解消になるほか、工数削減で作業にかかる労力や時間を大幅にカットできます。例えば、次のような作業にAIを有効活用することが可能です。

・資料の構成の作成
・文章作成や校正
・図・グラフの作成やレイアウト調整
・資料作成にあたっての情報収集やアイデア出し

資料作成に活用できるAIツールやChatGPTによるグラフの作成方法は、下記の記事もぜひご覧ください。

資料作成ができるAIツール7選!活用の注意点・ポイントも解説
ChatGPTでグラフを作成する方法を解説!便利なプラグインも紹介

データ入力・分析

AIは、データ入力の自動化のほか、分析に基づく予測などにも活用されています。下記は分野別にみるAIの活用方法例です。

分野 AIの活用方法
営業 ・顧客データや営業トークの分析

・見積書や納品書などの作成支援

経理 ・帳票の読み取り

・仕訳作業の自動化

人事 ・書類選考のスクリーニング

・従業員データを活用した人事評価

製造 ・技術的な文書の作成支援や要約
流通 ・需要予測に基づく人員配置、車両手配などの最適化
医療 ・紹介状や診断書などの作成支援

・画像認識技術や病歴データの解析などによる診断サポート

入力作業の自動化や業務プロセスの合理化などにより、リソースの有効活用を促進することから、生産性向上が期待できます。

生産管理

製造業の現場では、人手不足解消やコスト削減、業務効率化などを目的に、次のような用途でAIツールが活用されています。

・生産計画の最適化
・工場の生産ラインの監視と制御の自動化
・品質検査の自動化
・需要予測に基づく在庫管理
・事故防止の支援

さらに、AI搭載の産業用ロボットに熟練工の技術を学習させるなど、技術継承の解決策としてAIを導入する動きも活発です。また、業務の自動化やデータ分析に基づく生産管理にAIが活用されることで、従業員の負担や作業品質の平準化にも役立っています。

生産管理におけるAI活用のメリットや事例については、下記の記事もご参照ください。

生産管理にAIを活用するメリット・デメリット!活用事例を紹介

AIを活用した生産性向上の事例4選

続いて、生産性向上にAIを活用した企業の事例をみていきましょう。

1.社内の問い合わせ対応【日清製粉グループ本社】

日清製粉グループ本社では、事前に登録済みの回答が表示される従来型チャットボットを導入して、従業員からバックオフィス部門への問い合わせ業務の効率化を図っていました。しかし、その際に課題になっていたのが、FAQの作成や精度向上にかかる負担です。

そこで、AIに社内規定やマニュアルなどを学習させて運用する仕組みを新たに採用しました。回答できなかった質問は、該当するドキュメントの登録で対応できる仕様です。業務効率が向上した分、他業務に回せる時間と人手の余裕が生み出せるようになりました。

2.メール業務のプロセス改善【星野リゾート】

国内外で宿泊施設の運営を手がける星野リゾートは、生産性向上を図る施策として、生成系AIを搭載したオペレーター支援ツールを導入しています。新人オペレーターにとって負担が重く、課題となっていたメール対応のプロセスを改善するべく、採用されました。

宿泊予約に関する顧客メールへ迅速かつ円滑に対応するため、返信文の自動作成、テンプレート検索、文章校閲などの機能を備えています。メール対応の品質向上だけでなく、属人化の解消などを目指す上でも役立つ事例といえるでしょう。

3.文書作成やアイデア出し【KDDI】

大手電気通信事業者のKDDIでは、1万人に及ぶ社員を対象にAIチャットサービス「KDDI AI-Chat」が運用されています。現場では、企画立案時のリサーチやアイデア出し、文書要約、クリエイティブ業務や文書作成のサポートなどに活用されています。

導入にあたって、安心・安全に利用できる環境構築や、生成系AIの利活用を促す研修の実施など、実務を見据えた取組が行われました。蓄積されたAIに関する知見やノウハウを基に、AI活用の支援やソリューションなどを顧客向けに提供する動きも進んでいます。

4.不良品の検出【キユーピー】

食品メーカーのキユーピーは、カット野菜の選別にAIを活用しています。ディープラーニングによる画像認識で原料の映像を解析し、不良品を識別します。不良品ではなく、良品を学習させることで精度とスピードが向上しました。

人の目による検査では、大量の原料から規格外の形状や色、混入物を見つける作業に、多大な負担がかかります。そこでAIによる選別作業の自動化を図ることで、安全・安心なものづくりや従業員のストレス軽減、生産性向上にも成功しました。

生産性向上のためにAIを導入する際の注意点

AI導入を成功させるには、次のような注意点を踏まえて適切な対策を打つことも欠かせません。

AIの導入目的を明確にする

AIツールは、活用の目的や達成したいゴールを明確にした上で導入することが基本です。「何のために」という目的が曖昧なままでは適切なツールを選定できず、十分な成果が得られない可能性もあります。下記は導入目的の例です。

・バックオフィス業務の効率化による生産性向上
・業務の省力化、自動化による人手不足の解消、人件費の削減
・顧客対応の効率化や満足度向上
・データ分析に基づく精度の高い予測
・検査業務の効率化と品質向上

AI導入の目的やゴールは、ツールの導入後、費用対効果を検証するための効果測定にも必要です。

AIの向き・不向きを把握してお く

導入したAIツールをうまく使いこなすには、AIの向き・不向きを理解しておくことが欠かせません。AIは、文字や画像の認識、単純作業の繰り返し、大量のデータ処理などが得意な反面、感情の読み取り、臨機応変な対応などが苦手です。

AIの向き・不向きを踏まえた上で、導入の際は、作業の内容や難易度などからある程度人間とAIの業務範囲を棲み分けしておくと良いでしょう。AIの円滑な運用につながるだけでなく、AIに対する従業員の抵抗感も軽減できます。

AIの向き・不向きについて知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

AIにできないこととは?得意分野・苦手分野とビジネスでの活用事例!

利用ルールやマニュアルを作成する

AI活用に関する社内ルールやマニュアルを作成することで、情報漏洩や誤情報の利用、権利侵害といったリスクの低減を図れます。具体的には、AIの使用範囲や操作方法に加え、トラブル回避策となる下記のようなルールも検討すると良いでしょう。

・個人情報や機密情報の入力禁止
・ログの保存に関する規定
・出力内容の正確性や信頼性の確認
・著作権・商標権侵害の調査の徹底

また、リスク回避を図る上で、安全・安心な利用に配慮したAIツールを選定することも重要です。

AIリテラシー向上の施策を実行する

AIリテラシーとは、AIの基本的な知識やスキルをもち、効果的に活用できる能力のことです。AIは多くのメリットをもたらす一方で、誤情報を生成するハルシネーション、デマ情報や詐欺にも利用されるディープフェイクなどの問題も指摘されています。

AIの適正な利用には、AIの活用スキルだけでなく、安全に利用するための正しい知識も必要です。

適正な利用を促す施策として、従業員のAIリテラシーを高める研修や資格取得支援のほか、入力データの再学習を禁止する設定をはじめとした環境整備なども行われています。

費用対効果を確認する

AIの導入や活用には、下記のような費用がかかります。

・AIツールのライセンスやインフラ整備などで発生する初期費用
・クラウドサービスの利用やメンテナンスなどにかかるランニングコスト
・AIリテラシー向上の対策費
・AI人材の雇用で発生する人件費

ROI(投資利益率)、AI導入前後の生産性の比較などで費用対効果を分析し、中長期的な視点でコストに見合った利益を得られるかどうかを分析しましょう。

生産性向上のためにAIの導入を検討しよう

メールや資料の時短作成なら「エアスマAI(エアトリスマートAI)」がおすすめです。メールやプレゼン資料などの作成をAIがサポートして、生産性向上へと導きます。伏せておきたいワードを設定できるマスキング機能をはじめ、機密情報の流出を予防する機能も備わっています。

利用される機会の多いプロンプトも部署ごとに最適化できるので、全社的に活用できるツールです。「人手不足の解消や生産性向上を図りたい」「AIを安全に利用したい」というビジネスの現場でぜひご活用ください。

>>エアスマAIの詳細はこちらから

まとめ

AIを活用できる業務は、メールや資料の作成から生産管理まで多岐にわたります。AI導入を成功させて生産性向上を目指すには、導入目的の明確化や費用対効果の分析、従業員のAIリテラシー向上などの施策にも取り組みましょう。

「目的を実現できるか」「安全性に配慮されているか」などの観点から十分に検討した上でAIツールを選定し、自社の生産性向上の原動力としてお役立てください。

※この記事は、2024年9月時点の情報に基づいています。