代表的な生成系AIサービス6選を比較
生成系AIサービスは業務の大幅な効率化が期待できる便利なツールですが、それぞれの特徴について詳しく知らないという方も多いでしょう。ここでは、代表的な生成系AIサービス6つを比較し、特徴や料金などを詳しく紹介します。
ChatGPT
ChatGPTは、OpenAIが開発したAIチャットサービスで、人間に近い自然な文章生成が可能です。高度な自然言語処理技術を用いて、翻訳、要約、プログラミングコード生成など、多彩な機能を提供しています。
2022年11月にChatGPTが公開されてからは定期的にバージョンアップが行われており、2022年11月には「ChatGPT-3.5」、2023年11月には「GPT-4 Turbo」が発表されました。
さらに、2024年5月には「ChatGPT-4o」が登場し、音声や画像データに対応できるようになりました。この新しいバージョンでは、自然なテンポの音声会話が可能となり、より実用のレベル・範囲が向上しています。
プラン | 料金 | 対応モデル |
無料版 | $0/月 | GPT-4o mini、GPT-4o(限定アクセス) |
Plus | $20/月 | OpenAI o1-preview、OpenAI o1-mini、GPT-4、GPT-4o、GPT-4o mini |
Pro | $200/月 | GPT-4o、o1(制限あり) |
Team | $25ユーザー1人あたり/月(年額課金)
$30ユーザー1人あたり/月(月額課金) |
GPT-4o mini、GPT-4(制限あり)、GPT-4o(制限あり) |
Enterprise | 要問い合わせ | GPT-4、GPT-4o、GPT-4o mini |
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Gemini
GeminiはGoogleが開発したマルチモーダル生成系AIモデルで、2023年12月6日に発表されました。テキスト、画像、音声、動画を入力として受け取り、テキストと画像を生成できます。
特に音声による応答は「Gemini Live」で提供され、これにより多様なメディアでの生成が可能になります。
プラン | 料金 | 特徴 |
Gemini | 無料 | ・Flash(バージョン1.5)を搭載 |
Gemini Advanced | 月額2,900円
※初回1ヶ月は無料
|
・Flash(バージョン1.5)を搭載 |
Gemini for Workspace – Gemini Business |
月額2,260円/1ユーザー当たり ※年契約の場合
|
・Gemini Advancedにアクセス可能 |
Gemini for Workspace – Gemini Enterprise | 月額3,400円/1ユーザー当たり
※年契約の場合 |
・Geminiのすべてのアクセス権と利用が可能 |
関連記事:「生成系AI「Gemini」とは?モデルや料金の基本情報と活用事例を紹介」
Copilot
Microsoft Copilot(コパイロット)は、Microsoftが提供する生成系AIサービスです。OpenAIの「GPT-4」と検索エンジン「Bing」を組み合わせた生成系AIサービス「Bing Chat/Bing Chat Enterprise」をもとにしており、2023年12月から提供が開始されました。
名称には「副操縦士」として人をサポートする意味が込められており、ロゴには人とAIの握手をイメージしたデザインが施されています。
Copilotの大きな特徴は、Microsoft 365などのMicrosoftの業務アプリケーションやサービスと連携している点です。企業がすでに利用しているツールに生成系AIを組み込み、手軽に業務効率化を図ることができます。
製品 | 料金 | 特徴 |
Copilot | 無料 | ・基本的なAIチャットボット機能を搭載 |
Copilot Pro | 3,200円/1ユーザー/月 |
・個人向けのプランで、一部のMicrosoft 365製品(※)と連携可能 ※Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook
|
Microsoft 365 Copilot | ※年払いの場合
53,964円(月4,497円相当)/1ユーザー/年
※月払いの場合 4,722円/1ユーザー/月 |
・企業向けのプランで、Microsoft 365製品(※)と連携可能
※Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams |
関連記事:「Copilotとは?機能や料金、導入までの流れを解説」
Claude
Claude(クロード)は、アメリカのスタートアップ企業「Anthropic」によって開発されたAIチャットモデルです。2023年3月に一般公開され、LLM(大規模言語モデル)「claude.ai」を介した自然言語での対話が可能です。
Claudeは、質疑応答、文章生成、長文要約、翻訳、プログラミングコード生成など、多岐にわたる機能を提供しており、ビジネスや教育、カスタマーサポートなどさまざまな場面で活用されています。
特に自然な文章を生成する能力や、読みやすいコードを生成する能力に優れており、企業や開発者によって非常に高く評価されています。
また、Claudeには無料版と有料版のProプランが提供されており、企業やチームでの利用を前提とした高度な機能を提供するTeamプランも存在します。2024年6月には「Claude 3.5 Sonnet」が公開され、さらに進化した機能を提供しています。
プラン | 料金 | 特徴 |
無料版 | 0円 | ・基本的なAIチャットボットの利用が可能 |
Pro | 月額20ドル | ・無料版よりも5倍の使用量が得られる |
Team |
※年契約の場合 ※月契約の場合
|
・Proプランのすべての機能のほか、より多くの使用量を得られる |
Enterprise | 要問い合わせ | ・Teamプランのすべての機能に加え、セキュリティの精度が高い ・Githubなどのツールとの連携が可能 |
関連記事:「Claudeとは?ChatGPTとの違い、利用シーンも解説」
DALL・E3
DALL・Eは、OpenAIが開発した画像生成系AIです。大量の画像とテキストデータを学習し、指定されたテキストに基づいて視覚的表現を作り出す深層学習モデルを採用しており、精度の高い画像を生成します。
例えば、「雪の降る山頂に建つ小屋」のような指示に対して、DALL-Eはリアルで芸術的な画像を生成することができます。クリエイティブな画像制作が求められる場面でも、効果的に活用できるツールです。
DALL-Eは2021年1月に初めて発表され、その後DALL-E2(2022年4月)を経て、2023年9月21日にはDALL-E3が公開されました。さらに2023年10月には、ChatGPTにDALL-E3が統合されています。
ChatGPT Plus(月額20ドル)のユーザー、もしくはCopilotかBing Image Creator(Microsoft提供)を所有するユーザーであれば、DALL-Eを無料で使えます。
VALL-E
VALL-Eは、2023年1月上旬にMicrosoftの研究者によって発表された音声合成AIモデルです。
この技術は、わずか3秒間の音声サンプルから話者の声を精密に再現することができ、高精度な音声合成を実現しています。そのため、テキスト読み上げアプリや音声編集など、高品質な音声合成が求められる分野に幅広く応用されています。
特に、音声の感情やニュアンスを維持しながら再現できる点が強みであり、より自然で感情豊かな音声合成が実現できます。具体的には、音声のトーン、アクセント、さらには音響環境(例:携帯通話音声)まで忠実に再現可能です。
また、VALL-Eは日本語にも対応しており、特に2023年8月に公開された「VALL-E X」においては、日本語の音声合成が可能になったことが注目されています。今後、日本市場でも利用が広がることが期待されています。
なお、利用料金は無料です。
企業に導入する生成系AIサービスの選び方
生成系AIサービスを企業に導入する際、最も重要なのは自社のニーズに合ったサービスを選ぶことです。
ここでは、導入する際に重視すべきポイントを詳しく解説します。
チェックポイント1|導入目的に合った機能が備わっているか
生成系AIサービスを選ぶ際、最も重要なのは「導入目的に合った機能が備わっているか」です。
各サービスには得意な分野があるため、導入目的に合った機能をしっかり確認することが重要です。例えば、カスタマーサポートを強化する場合は、FAQ対応や自動返信機能が充実しているサービスを選び、コンテンツ作成をサポートしたい場合は、文章生成や画像生成が得意なツールを選ぶと良いでしょう。
そのため、導入の際は事前に自社の業務において何を解決したいのか、何を効率化したいのかを明確にしておく必要があります。
チェックポイント2|導入費用に見合った効果が得られるか
生成系AIの導入には一定のコストがかかります。そのため、導入費用に見合った効果が得られるかどうかを慎重に評価する必要があります。
料金体系はサービスごとに異なりますが、基本的には月額料金や利用量に応じた料金プランが設定されています。ただし、金額だけでなく導入後に見込まれる成果も考慮して比較することが重要です。
事前に、各生成AIサービスの導入によってどれだけの業務効率化が期待できるかを試算しておくと良いでしょう。
「作業時間が減ることで、どれだけ人件費を削減できるのか」「品質向上による売上向上が見込めるのか」などを具体的に計算して、費用に見合った効果を得られるかを判断することが大切です。
チェックポイント3|日本語に対応しているか
日本国内で生成系AIを導入する場合、日本語対応が重要なポイントです。多くの生成系AIサービスは英語を主な言語として開発されていますが、日本語に対応しているかどうかが実務での使いやすさに大きく影響します。
また、日本語対応の品質が低いと、誤った解釈や翻訳ミスが発生する可能性があり、業務に支障をきたすことがあります。日本語のニュアンスや文脈を正確に理解し、適切に応答できるサービスを選択することで、業務効率化がスムーズに進みます。
チェックポイント4|現場の従業員が使いやすい仕様か
生成系AIサービスを導入する際、現場の従業員が使いやすいかどうかも重要なポイントです。
直感的に操作でき、誰でも簡単に利用できるインターフェースが提供されていれば、AIの導入後もスムーズに業務に組み込むことができるでしょう。
トライアル利用などを通じて、現場の声を聞いてみるのもおすすめです。
なお、当社が提供している法人向け生成系AIの総合プラットフォーム「エアトリスマートAI(エアスマAI)」は「誰にとっても始めやすいAIツール」をコンセプトとした、使いやすい設計が特徴です。
DALL-E3の利用も可能で、月額料金が0円〜、月800円〜/1ユーザーのプランからご利用可能いただけます。初めてAIを導入する企業でもスムーズに使い始めることが可能です。
生成系AIサービスの導入を検討中の企業様は、ぜひ一度お問い合わせください。
まとめ
生成系AIサービスの導入にあたっては目的に合った機能、コスト、使いやすさを慎重に選ぶことが重要です。自社の業務課題やニーズに合った最適なサービスを選ぶことで、生産性の向上やコスト削減が期待できます。
※この記事は、2024年12月時点での情報に基づいています。