AIでチラシを作成する方法
まず、AIを活用してチラシを作成する方法について解説します。
ChatGPTを活用する
まずは、生成系AIのChatGPTを活用する方法を3つ紹介します。
なお、本格的なチラシを作成する場合は有料プランへの登録をおすすめします。有料版では画像生成機能「DALL-E」を利用したチラシ用のデザインの作成が可能です。
無料版でもDALL-Eは利用できるようになりましたが、1日に画像2枚までの制限があるため、チラシ用画像作成は現実的には難しいでしょう。ただし、チラシ作成の参考として、キャッチコピーや文章構成、配色の提案などを受けるなどであれば可能です。
チラシのキャッチコピーを作成
ChatGPTを活用すれば、短時間で効果的なキャッチコピーを作成できます。
例えば、下記のようにブランドの情報や目的を与えながら指示することで、多様なアイデアを得られます。
#依頼内容
あなたはプロのマーケターです。30代女性をターゲットとした〇〇のチラシに掲載するキャッチコピーを5つ考えてください。
#目的
新ブランド「〇〇」の魅力を、30代女性に伝えること
#情報
・ターゲット:髪のうねりに悩む30代女性
・ヘアケア剤の特徴:自然由来の成分を多く使用しており、フルーツの香りがする
・ブランドイメージ:したたかに生きる女性のためのヘアケア剤
#ルール
・#情報をもとに、ブランドイメージに合った言葉を使用してください
・印象に残るような表現にしてください
#出力形式
ブレット形式
▼回答(※4oを使用)
また、細かな要望を含めた修正案を依頼し、成果物を理想に近づけることも可能です。
チラシのイラストや画像を作成
有料版ChatGPTの画像生成機能「DALL-E」を使うことで、プロンプトを入力するだけでイラストや画像を作成できます。
例えば、下記のように指示すれば、適切なデザイン案が生成されます。
#依頼内容
あなたはプロのイラストレーターです。個人店のカフェのチラシに合うコーヒーカップの画像を作成してください。
#目的
地元の人に、カフェ「〇〇」に行きたいと思ってもらうこと
#情報
・ターゲット:一人の時間をゆっくり過ごしたい人
・カフェの特徴:ゆったりできる空間を意識したBGMとインテリア
#ルール
・#情報をもとに、ブランドイメージに合った画像を作成してください
▼回答(※4oを使用)
生成された画像に対して明るい色や構図などの細かな条件を指定し、より目的に合った仕上がりを得ることも可能です。
チラシのイラストや画像を編集
生成した画像やイラストを編集することで、さらに完成度を高められます。
「特定の部分にテキストを挿入してください」「色合いを変更してください」など、具体的な指示を出すと、画像編集もスムーズに進みます。
▼回答(※4oを使用)
編集作業を繰り返すことで、チラシ全体のデザインと内容が統一され、高品質なビジュアルが完成します。
AIを搭載したデザインツールを活用する
AIを搭載したデザインツールは、デザインの知識がない方でも簡単にチラシを作成できます。
おすすめのツールをいくつか紹介します。
Canva AI
Canva AIは、初心者からプロまで幅広いユーザーに支持されるデザインツールです。
豊富なテンプレートとデザイン素材を利用でき、AIを活用した画像生成や文章作成も可能です。直感的なドラッグ&ドロップ操作により、手軽にチラシやイラストをカスタマイズできます。
また、音声や動画の生成も対応しており、チラシ以外のクリエイティブ作成にも役立ちます。
Adobe Express
Adobe Expressは、Adobeのオンラインデザインツールで、AIがテーマや目的に応じたデザインを提案します。
Adobeフォントや高品質な素材ライブラリを活用して、上質な仕上がりを目指すことが可能です。スマートフォンでも編集が可能で、外出先でも手軽に作業を進められる点が魅力です。
Microsoft Designer
Microsoft Designerは、簡単な指示だけでAIが複数のデザイン案を提示するシンプルなツールです。
Microsoftの高品質な素材ライブラリを活用でき、見栄えの良いチラシ作成が可能です。PowerPointやWordと連携できるため、Microsoft製品を日常的に利用している方にとっては特に便利なツールです。
Adobe Firefly
Adobe Fireflyは、テキストから高品質なイラストや写真を生成できるAIツールです。
Adobeの膨大なデータをもとに、緻密でリアルなイラストから抽象的なものまで幅広いスタイルの画像を作成可能です。商用利用も許可されており、ブランドイメージに合ったオリジナリティのあるデザインを求める方におすすめです。
Fotor
Fotorは、豊富なテンプレートとデザイン素材が魅力のオンラインデザインツールです。
明るさやコントラストなどの基本的な編集機能に加え、AIによる背景削除や不要部分の除去といった機能が搭載されています。直感的に使えるインターフェースにより、初心者でも簡単に操作できます。
Stable Diffusion
Stable Diffusionは、オープンソースの画像生成モデルを活用したツールです。テキストをもとに、独自性の高い画像を生成できます。
また、ユーザーが用意した画像をモデルに追加学習させることもでき、好みに合わせたカスタマイズが可能です。独特なスタイルやテーマに特化したチラシを作りたい方におすすめです。
AIでチラシを作成する際の注意点
AIを活用してチラシを作成する際に、注意すべき点を3つ紹介します。
商用利用が可能なツールを使用する
AIで生成したデザインや画像を商用利用する場合、使用するツールの利用規約を事前に確認する必要があります。一部のAIツールでは、生成した素材の商用利用が禁止されています。
商用利用が認められているツールを選ぶとともに、クレジット表記やライセンス料の支払いなどの条件を満たした上で利用しましょう。
著作権侵害には十分注意する
AIは膨大なデータから学習して新しいデザインや文章を生成していますが、生成物が既存の作品に似ることもあります。
無断で使用すると著作権侵害にあたる場合があるため、慎重なチェックが必要です。
商用利用を計画している場合は、ツールの利用規約を確認し、生成されたコンテンツの著作権や使用条件を十分に理解しておくことが重要です。
既存の作品に酷似していないか、第三者の権利を侵害していないかを慎重に確認してください。
印刷時のクオリティを考慮して作成する
AIが生成する画像はデジタル環境で鮮明に見えても、印刷すると荒さが目立つ場合があります。そのため、印刷に適した高解像度の画像が生成できるツールかどうかは重要です。
また、保存できるファイル形式(AI、PDF、TIFFなど)が印刷可能なものかどうかも確認してください。生成されたデザインをそのまま使用するのではなく、印刷物用の裁ち落としや色域の調整を行い、印刷品質を確保しましょう。
まとめ
AIは、チラシ作成を効率化するだけでなく、広告業界やそのほかのビジネスシーンでも多くの可能性を広げています。本記事で紹介したように、ChatGPTをはじめとするAIツールを活用すれば、構成やキャッチコピーの作成、デザインの生成から編集までをスムーズに進めることができます。
一方で、商用利用や著作権、印刷品質に関する注意点を押さえた上で適切に利用することが重要です。
※この記事は、2025年12月時点の情報に基づいています。