ChatGPTで翻訳するプロンプト例
ChatGPTを使って英語の論文やビジネス文書を翻訳する際、適切なプロンプトを使用することで、翻訳精度を高めたり、文体やシーンに合わせて翻訳したりできます。
ここでは、ChatGPTを活用して効率良く翻訳を行うためのプロンプト例を紹介します。
例1.基本の翻訳
最もシンプルなプロンプトで、英語から日本語への基本的な翻訳を行う場合に活用できます。
<プロンプト例>
以下の英文を日本語に翻訳してください。
英文:
This is an example sentence that needs to be translated into Japanese.
例2.文体を指定する
ChatGPTでは、翻訳する際に文体を指定することも可能です。例えば、カジュアルな表現やフォーマルな表現など、翻訳先の文体を指定したい場合に有効です。
<プロンプト例>
次の英文をフォーマルな文体で日本語に翻訳してください。
英文:
We would like to express our gratitude for your continued support and cooperation.
例3.シーンを指定する
翻訳する場面を指定することで、より適切な表現やトーンを使った翻訳が可能です。例えば、ビジネスメールの作成を想定したプロンプトは下記です。
<プロンプト例>
以下の英文をビジネスメール向けに日本語に翻訳してください。
英文:
I hope this email finds you well. I am writing to follow up on our previous conversation regarding the new project.
ChatGPTで高精度な翻訳をするコツ
ChatGPTを使って高精度な翻訳を実現するためには、単に翻訳を依頼するだけでなく、適切な指示を与えることが重要です。具体的な文体の指定やフィードバックを通じて、翻訳の質を向上させることができます。
ここでは、ChatGPTで効率的かつ精度の高い翻訳を行うためのコツを紹介します。
翻訳する言語、文体など明確かつ具体的に指示する
ChatGPTに翻訳を依頼する際、どのような文体やトーンで翻訳するかを明確に指示することで、より適切な翻訳が可能になります。例えば、ビジネスシーンで提案書を翻訳する場合、「礼儀正しい表現を用いてください」と指示することで、読み手に適した文章が得られます。
また、読み手に関する情報を付け加えることで、さらに適切な翻訳ができます。例えば、「経営層向けに分かりやすく、かつフォーマルなトーンで翻訳してください」といった具体的な指示を与えることで、読み手に合った内容に仕上がります。
直訳を避けたい用語は指定する
翻訳の中で専門用語や固有名詞が登場する場合、直訳が適さないケースが多くあります。このような場合には、「○○に関する用語は翻訳せず、そのまま使用してください」や「○○という用語は適切な日本語に翻訳してください」といった具体的な指示を出すと良いでしょう。
さらに、翻訳範囲や要約の程度を明確に設定することで、過度な直訳を避け、内容を適切にまとめられます。
フィードバックを与える
翻訳結果に対してフィードバックを与えることも重要です。ChatGPTはフィードバックを受けることで、より適切な翻訳結果を生成します。例えば、「この部分は少しカジュアルすぎるので、もう少しフォーマルに修正してください」といった具体的な指示を出すことで、翻訳の質を向上させることが可能です。
定期的にフィードバックを行いながら、翻訳結果を改善していくことで、最終的に求めるクオリティに近づけられます。
ChatGPTで翻訳する際のアイデア
ここではChatGPTを使った翻訳作業における便利なアイデアを紹介します。誤訳や訳抜けのチェック、論文の要約、用語集の作成について、具体的なプロンプト例を交えながら解説します。
誤訳・訳抜けをチェックする
ChatGPTを使った翻訳では、誤訳や訳抜けが発生することがあります。そのため、翻訳結果をダブルチェックすることが重要です。以下のようなプロンプトを使用して、誤訳や訳抜けを確認できます。
<プロンプト例>
以下の英文を翻訳しましたが、誤訳や訳抜けがないか確認してください。
英文:
The results of the study indicate a significant improvement in patient outcomes following the implementation of the new treatment.
翻訳文:
その研究結果は、新しい治療法の導入後に患者の転帰が改善されたことを示しています。
<出力例(ChatGPT 4oの場合)>
このように翻訳文の不備を指摘してもらうことができます。翻訳ミスのリスクを軽減するため、重ねて確認を依頼すると良いでしょう。
論文などを要約・解説する
英語の論文を翻訳するだけでなく、要約を依頼することで、効率良く内容を把握できます。論文の要点を短時間で掴むために、下記のようなプロンプトを活用してください。
<プロンプト例>
次の英文を日本語に翻訳し、簡潔に要約してください。
英文:
This paper explores the impact of artificial intelligence on the healthcare industry, examining the ways in which AI has been integrated into patient care and how it has improved diagnostic accuracy.
<出力例(ChatGPT 4oの場合)>
この論文は、人工知能(AI)が医療業界に与える影響を探り、AIがどのように患者ケアに組み込まれてきたか、また診断精度をどのように向上させたかを検討しています。
・要約
この論文では、AIが医療における患者ケアや診断精度の向上にどのように貢献しているかを分析しています。
用語集を作る
翻訳を効率化するために、専門用語や固有名詞の用語集を作成しておくことも有効です。特定の業界や分野で使われる用語をあらかじめ登録し、それに基づいて翻訳作業を行うことができます。
<プロンプト例>
以下の用語を元に、翻訳時に使用する用語集を作成してください。
用語リスト:
1.Artificial Intelligence (AI)
2.Machine Learning (ML)
3.Natural Language Processing (NLP)
<出力例(ChatGPT 4oの場合)>
英語 | 日本語 | 備考 |
Artificial Intelligence (AI) | 人工知能(AI) | 「AI」と略されることが多い。 |
Machine Learning (ML) | 機械学習(ML) | AIの一分野として使用される。 |
Natural Language Processing (NLP) | 自然言語処理(NLP) | 人の言葉を理解・処理する技術。 |
作成した用語集を用いることで、翻訳の一貫性が保たれ、翻訳の質を高めることにもつながります。
ChatGPTで翻訳する際の注意点
ChatGPTを使って翻訳作業の効率化を図れるものの、いくつか押さえておきたい注意点があります。特に複雑なテキストや機密情報の扱いには注意が必要です。ここでは、ChatGPTで翻訳を行う際の主な注意点を解説します。
複雑で専門的なテキストの翻訳には向かない
ChatGPTは、さまざまなタイプのテキストを翻訳できます。ただし、複雑で専門的な分野のテキストについては、正確さを保証するのが難しいケースがあります。
例えば、法律や医学の専門用語が多用される論文や資料の翻訳では、ニュアンスや専門知識が正確に反映されないことがあります。このような場合、ChatGPTで得た翻訳をそのまま使用せず、専門家に監修してもらうと良いでしょう。
さらに、方言やスラングなど、特定の地域的、文化的な表現は、正確な翻訳が難しいことがあります。ChatGPTが適切に対応できない場合もあることを念頭に置いておきましょう。
契約書や仕様書などの機密情報に気を付ける
契約書や仕様書など、機密性の高い情報を含む文書を翻訳する際には慎重な対応が必要です。ChatGPTの「チャット履歴とトレーニング」をオフにすることで、入力内容が外部に学習データとして保存されるリスクを防げます。
具体的には機密情報や個人情報を扱う場合、翻訳後に必ず履歴を消去するか、該当機能をオフにしておくことが重要です。このような対応により、データの流出リスクを軽減し、安全な翻訳を実現できます。
まとめ
ChatGPTを利用して業務効率化を図ることは可能ですが、翻訳作業においては情報漏洩やセキュリティ面の配慮が重要です。機密情報を扱う際には、チャット履歴の保存をオフにするといった対策が必要です。
また、ChatGPTを単体で導入することに不安がある場合は、セキュリティ対策が施されている「エアスマAI(エアトリスマートAI)」の検討をおすすめします。
ChatGPT連携サービスのエアスマAIは操作性が優れており、ChatGPTに慣れていない社員でも安全かつスムーズに利用を開始できます。翻訳作業の効率化を検討している企業にとって、非常に有用なツールとなるでしょう。
業務効率化にお悩みの方は、エアスマAIをチェックしてみてください。
※この記事は、2024年10月時点の情報に基づいています。