ChatGPTで表を生成してExcel・スプレッドシートに反映させる方法
2022年11月に公開されたChatGPTは、高度なAI技術を活用した対話型AIチャットサービスです。
メール文章の生成や翻訳など実際のビジネスシーンでも多く活用されており、表の生成も可能です。
ここではChatGPTを使って表を生成する方法と、Excelやスプレッドシートに反映させる方法を解説します。
「Excelやスプレッドシートで表を作って情報を管理しているが手間がかかる…」という方はぜひ参考にしてください。
【1】ChatGPTに表を生成する指示を出す
まずは作成したい表に合わせて、必要な情報をまとめたプロンプトを入力します。
・どのような情報を
・どのような形でアウトプット(出力)すれば良いのか
などをプロンプトにまとめて明確に指示しましょう。
ここからは、4つの場面で使えるプロンプトをご紹介します。
・ChatGPTからの回答を表で出力する場合
・スケジュールを生成する場合
・複数の要素を比較する場合
・時系列分析をする場合
ChatGPTからの回答を表で出力する場合
基本的にChatGPTは、質問に対して文章で回答します。
表の形式で回答してほしいときは、プロンプトに「表形式」で答えるよう明記する必要があります。
▼プロンプト例
人口の多い都道府県のランキングを表形式でまとめてください。
スケジュールを生成する場合
1週間のスケジュール表を生成するときは、
・各曜日の予定、予定の開始時刻・終了時刻
・出力形式
の2つを含めたプロンプトを作成します。
▼プロンプト例
#入力文
{曜日:予定A,開始時刻,終了時刻}
{曜日:予定B,開始時刻,終了時刻}
{曜日:予定C,開始時刻,終了時刻}
#出力形式
#入力文 に入力された予定を表形式で出力してください。
【1列目】:曜日
【2列目】:予定
【3列目】:開始時刻
【4列目】:終了時刻
複数の要素を比較する場合
複数の要素(人の性質、地域のデータなど)を比較したいときは、
・比較したい対象の情報
・出力形式
の2つを含めたプロンプトを作成します。
▼プロンプト例
#入力文
{Aさん:(年齢〇〇、所有資格〇〇、実績〇〇)}
{Bさん:(年齢△△、所有資格△△、実績△△)}
{Cさん:(年齢□□、所有資格□□、実績□□)}
#出力形式
上記の#入力文 の人物を比較する表を作成してください。
時系列分析をする場合
時系列データの表を生成するときは、
・対象となる時間の範囲
・出力してほしい項目
・出力形式
の3つを含めたプロンプトを作成します。
▼プロンプト例
#時間範囲
開始日:〇〇年度
終了日:〇〇年度
#項目
日本のGDP成長率(%)
#出力形式
#時間範囲と#項目のデータを含む表を作成してください。
【2】Excel・スプレッドシートの任意の場所にコピペする
ChatGPTで生成した表はExcelやGoogleスプレッドシートにコピー&ペーストして使うことができます。
表部分を選択してコピーした後、任意の場所に貼り付けるだけです。
関数や入力規則を設定して、業務に活用してみましょう。
ChatGPTで表を生成したいときに使えるプラグイン・機能
ChatGPTはプラグインや機能を利用すれば機能性が飛躍的に広がります。
ここからは、
・表だけでなく図も生成したい
・データを可視化したい
という方におすすめのプラグインや機能を3つご紹介します。
Diagrams:Show Me
Diagrams:Show MeはChatGPTに入力した情報をビジュアル化できるプラグインです。
表だけでなく複雑なマインドマップやフローチャート、ガントチャートなどの図も生成できます。
マニュアル作成やプレゼン資料の作成に役立つでしょう。視覚的な理解を深めたいときにも活用できます。
Advanced Data Analysis(旧code Interpreter)
外部データ(画像やExcelなど)の情報をグラフ化したいときは「Advanced Data Analysis(旧code Interpreter)」がおすすめです。ChatGPT Plusに加入すれば利用できる機能です。
プログラミング言語のひとつ「Python」がデータの処理を行い、表・グラフの作成や分析、計算をします。
そのほか下記のような便利な機能が備わっています。
《Advanced Data Analysisの活用例》
・スライド生成
・QRコード生成
・動画生成
・PDFファイルの文字の読み込み(OCR)
・アップロードしたファイルの編集
・Pythonコードの実行
・コードの解説
またシフト表や当直表の作成にも活用できます。
Webツール「調整さん」のような予定調整サービスで出勤希望を出してもらい、そのデータをChatGPTに送信して表を作るよう指示する方法です。
少し手直しすればそのまま使える精度のものが完成します。
Noteable
NoteableはPython、SQL、Markdownでデータを分析したり、可視化できたりするプラグインです。
読み込みたいデータを送信すると、分析内容を表やチャートなどで出力できます。「~を表でわかりやすく教えてください」と指示しましょう。
そのほか、特にエンジニアに役立つ機能が揃っています。
《Noteableの活用例》
・プログラムの実行
・データベース作成
Advanced Data Analysisと基本の機能は似ていますが、Noteableはテキストの指示だけでWeb上のデータを探して分析してくれます。
一般的な情報を分析する場合は自分で画像やExcelなどのデータを用意する必要がないのがメリットです。
またpipインストールが可能でR言語にも対応しているため、Advanced Data Analysisよりも自由度が高いといえるでしょう。
ChatGPTで表を生成する際の注意点・ポイント
ChatGPTで作りたい表を生成するポイントや、業務で利用する際の注意点をご紹介します。
表の項目を明確にする
表の全体像をイメージして項目を明確に指示しましょう。
たとえばスケジュール表を作る場合、
・日付
・タスク
・開始時間、終了時間
があると良いでしょう。
どのような形式で表を作ると見やすいかを考えてからプロンプトを作成することが重要です。
表の列数や行数も考慮するとより視認性の高い表が生成できるでしょう。
表にした情報の正確性をチェックする
ChatGPTの回答結果を表にする場合は、正確な情報か確認することが重要です。
ChatGPTはWeb上の情報をもとに回答を生成するため、誤った情報や古い情報を出力する可能性があります。
なお各モデルが学習しているデータの期間は下記の通りです。
・GPT-3.5:2021年9月まで
・GPT-4:2022年1月まで
・GPT-4 Turbo:2023年4月まで(※1)
また個人情報や機密情報をプロンプトに入力しないことも大切です。
入力した内容は、ChatGPTの学習のために利用されることもあります。
外部へ流出させたくない情報は入力を控えるか、質問内容を学習させないように設定しておきましょう。
安全にChatGPTを利用するなら、ChatGPT連携サービスもおすすめです。
法人向け生成系AIの総合プラットフォーム「エアトリスマートAI」はセキュリティに強く誰でも利用しやすいツールです。
表生成のほかメール文章の生成や長文の要約、議事録などの機能を利用できます。
ChatGPTとAPI連携しており対話形式で必要な情報を生成することが可能です。
マスキング機能や助手機能(※2)を搭載しているため情報漏洩の心配はありません。
業務効率化にAIを活用したい企業様はぜひご検討ください。
※1 2024年1月末時点
※2 マスキング設定に応じて、会話形式で入力している内容の振り返りや機密情報に該当する部分の削除をする機能
まとめ
今回はChatGPTで表を生成してExcelやスプレッドシートに反映させる方法やおすすめのプラグインについてご紹介しました。
ChatGPTで表を生成する際は適切なプロンプトの入力が非常に重要です。本記事でご紹介したテンプレートを参考にして、業務効率化にお役立てください。
また表に含まれている情報が誤っていないか、古い情報が混ざっていないかチェックすることも大切です。
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※この記事は、2024年1月時点での情報です。