ChatGPTで高精度な文章校正・編集ができるプロンプト6つを紹介

「資料のテキストを添削するのに時間がかかる」「二重チェックをしても誤字脱字が無くならない」など、社内の文章校正・編集業務に課題を感じていませんか。 今回はChatGPTで文章校正や編集をする方法や注意点、活用のポイントを解説します。


この記事は約7分で読み終わります。

高精度な文章校正・編集を任せるならGPT-4以降のモデルがおすすめ

ChatGPTを活用して文章校正や編集作業を効率化するなら、GPT-4以降に登場したモデルを利用しましょう。

▼GPTの変遷

モデル パラメータ数 最大トークン数
GPT-1 1億1,700万 不明
GPT-2 15億 不明
GPT-3 1,750億 不明
GPT-3.5 3,550億 2,048
GPT-3.5 Turbo 3,550億 4k:4,096

16k:1万6,384

GPT-4 不明 8k:8,192

32k:3万2,768

GPT-4 Turbo 不明 12万8,000

無料版の最新モデルはGPT-3.5ですが、最大トークン数が2,048なので日本語に換算すると680~2,048文字程度です。業務に活用するにはやや不便といえるでしょう。

GPT-4はGPT-3.5の改良版で、より自然な言葉遣いと高い表現力を実現しています。日本語の意味・文法・文脈の処理能力が改善され、高精度な文章校正・編集が可能になりました。

GPT-4を利用するには月額課金が発生するChatGPT Plusへの加入が必要です。(ChatGPT Plusは2023年11月中旬に新規登録が中止されていましたが同年12月13日に再開しています)。

また現地時間の2023年11月6日にはGPT-4 Turboも発表されました。学習データが拡張され、回答速度や精度も向上しています。

GPT-4と比べてAPI利用料も安いため、新しくChatGPTの利用を始める場合はGPT-4 Turboを検討してみてください。

なお、パラメータ数はニューラルネットワーク(※)内における調整力のようなものです。よく人間の脳内にあるシナプスの数に例えられ、数が多いほど情報の吸収量・伝達量が増えるといわれています。

トークン数は出入力できるテキストの量を表します。「単語」「句」「句読点」などの単位をトークンと呼び、日本語では1トークン当たり1~3文字程度といわれています。

※ニューラルネットワーク…人工知能を構築する仕組み。人間の脳の神経回路網を模した方法でデータを処理するように学習させる手法のこと。

ChatGPTの文章校正・編集で使えるプロンプト

ChatGPTで文章校正や編集をする際に使える6つのプロンプトを紹介します。

校正

誤字・脱字や文法ミスのない文章に変換したいときのプロンプトは下記の通りです。

以下の文章を校正してください。
「校正する文章」

誤字脱字チェック

文章の誤字・脱字を一括で修正したいときのプロンプトは下記の通りです。

以下の文章の誤字脱字を直してください。

「直す文章」

表記ルールを反映させる

表記ルールを一括で文章に反映させることも可能です。

以下の制約条件に従い文章を直してください。

#制約条件:
○○→△△
○○→△△
○○→△△

#入力文:
「表記ルールを適用したい文章」

制約条件には「全て→すべて」「致します→いたします」など統一させたい表記ルールを記載します。

トンマナを変更する

文章が与える印象を統一するためのルールを「トンマナ」といいます。

読み手に合わせて文末表現や文章全体の雰囲気を変えるときのプロンプトは下記の通りです。

#命令文:
入力文を#読み手(または#目的)に合わせて言い換えてください。
#読み手(#目的):
#入力文:
「トンマナを変更したい文章」

命令文は「柔らかい文章に言い換えてください」のような、シンプルな指示でも問題ありません。

読み手や目的を設定するときは「中学生」「サービス内容を知らない人」など具体的に設定します。

推敲

作成した文章で言葉選びをより良くしたいときのプロンプトは下記の通りです。

以下の文章の()の部分の言葉の候補を教えてください。
「推敲したい文章」

複数の候補を求めるときは「3つ候補をください」などの命令を加えます。

要約

要約するときのプロンプトは下記の通りです。

以下の文章を要約してください。
「要約したい文章」

「500文字以内」「100文字以内」と、文字数を指定することも可能です。

「初心者にもわかりやすいように要約してください」と特定のターゲットを意識した指示を出すのもいいでしょう。

ChatGPTに文章校正・編集を任せるときの注意点

ChatGPTは文章校正や編集が得意ですが、有料の校正ツールと比較すると精度は劣ります。

業務効率化のために導入する際は下記の2点に注意しましょう。

修正箇所を特定できない

ChatGPTは校正ツールのように「修正すべき箇所」「注意すべき表現」などを指摘することはできません。

文章全体を書き直さずに誤っている箇所だけ知りたいという場合は不便に感じることもあります。

適切に校正できない場合がある

修正後に違和感のある文章になることもあります。

ChatGPTは基本的にWebページや論文、書籍などから情報をインプットします。その学習データに基づいて文脈の流れを判断し、文章を修正します。

逆に言うと学習できていない情報に関しては誤訳する可能性が高いのです。

特に企業独自の用語や高度な専門知識が含まれる文章に関しては適切に校正・編集できない場合があります。

同じく複雑な内容や曖昧な表現の多い文章は苦手です。

ChatGPTに文章校正・編集を任せるときのポイント

注意点を踏まえて、文章校正や編集でChatGPTをうまく活用するコツを2つ紹介します。

比較表を作ってもらう

一般的な校正ツールのように修正箇所を特定したい場合は比較表を作成する方法が有効です。

【比較表を作成するプロンプト】

#命令文:
校正前の文章、校正後の文章、校正した理由を表形式で示してください。
#入力文:

修正箇所や修正の意図を明らかにできるため、ナレッジを蓄積・共有するのにも役立ちます。

ChatGPTが情報を正しく処理できるようにカスタマイズする

適切な文章校正・編集をしたい場合はChatGPTが情報を正しく処理できるように、

・プロンプトで情報を補完する
・入力前に人の手で手直しする

などの工夫が必要です。

企業独自の用語や知識を含む文章を処理したい場合はファインチューニングを行う方法もあります。

ファインチューニングとはLLM(大規模言語モデル)に追加でデータを学習させる手法です。

ただしプログラミングスキルやAIの知識が必要になるため、内製が難しい場合は校正機能を備えたAIツールの導入をおすすめします。

校正ルール・用語集の設定などカスタマイズ性に優れたツールであれば、より高精度な文章校正・編集が可能になるでしょう。

まとめ

ChatGPTを利用すれば、文章校正・表記ルールの反映・推敲などの業務が容易になります。今回の記事で紹介したポイントを踏まえて資料作成やチェックの効率を上げましょう。

AIを活用して業務効率化を実現したい企業様は、ChatGPTとAPI連携している「エアスマAI(エアトリスマートAI)」もご検討ください。

業務に応じたプロンプトのテンプレートを活用できるほか、オリジナルのテンプレートを作成したり、自社独自のNGワードを設定できたりなどカスタマイズ性に優れています。

文章校正や編集業務のほかプレゼン資料や議事録の作成などにも活用できます。

社内のあらゆる業務をAIで効率化したい企業様や、AIツールの運用に不安がある企業様はぜひお問い合わせください。

※この記事は、2024年2月時点での情報です。