ChatGPTのプロンプトとは?作成のコツについて紹介!

ChatGPTを利用するうえで欠かせないのが、プロンプトです。ChatGPTを使っているけれど理想的な回答が得られないという場合は、プロンプトに原因があるのかもしれません。 本記事ではChatGPTのプロンプトについて詳しく解説いたします。


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ChatGPTのプロンプトとは?

ChatGPTの利用の際に重要となる、プロンプトについて詳しく解説します。

プロンプトとはAIへの「命令」のこと

プロンプトとはAIに対して行う命令のことです。ChatGPTを利用する際には、答えてほしい質問や要求を文章という形で入力します。この文章がプロンプトに該当します。

ChatGPTはプロンプトの内容に従って回答を出力するため、どのようなプロンプトを入力するかが最も重要なポイントです。ChatGPTが使いづらいと感じている方は、プロンプトの入力方法が適切でないのかもしれません。

ChatGPTのプロンプトには3つの種類がある

ChatGPTを使いこなすためには、3種類のプロンプトを使い分けなくてはなりません。

Instruction(命令)

Instructionは「この文章を日本語に翻訳して」「誤字を探して修正して」などの命令の意味をもったプロンプトです。ChatGPTに入力するプロンプトは、基本的にInstructionをメインとして使うことが多いです。

Completion(補完)

Completionは補完という意味があります。例えば、ChatGPTに「徳川」と入力したとします。その場合は、「徳川家康は徳川初代将軍で〜」のように説明する文章が出力されます。

具体的な内容をプロンプトに記載していなくても、ChatGPTは単語から意味を補完して回答を出力してくれるのです。

Demonstration(実演)

Demonstrationは今までに入力した情報をもとにして、回答を出力させるプロンプトです。

例えば、事業の強み・弱みをいくつか提示し、最後の質問で「強み」か「弱み」のどちらかをChatGPTに推測してもらいます。

商材の品質が高い//強み
知名度が低い//弱み
リピーターが多い//強み
新規顧客を獲得しづらい//弱み
サポートが手厚い//

この場合、ChatGPTは今までの傾向を踏まえて「強み」と表記するべきと判断して、「強み」という回答を出力します。

出力される回答をこちらが想定している通りに真似てほしい場合に、Demonstrationが用いられます。

ChatGPTのプロンプトを作るコツ

ChatGPTのプロンプトがうまく作れずに、使いこなせていないという方は少なくありません。ここでは、ChatGPTのプロンプトを作るコツについてご紹介します。

具体的かつ明確に伝える

ChatGPTは抽象的な内容について理解するのが難しい傾向にあります。そのため、プロンプトはなるべく具体的かつ明確に伝えなければなりません。

誰が読んでも情景がイメージできるくらいに、具体的に記載することが大切です。

参考情報を与える

ChatGPTは膨大な量のテキストデータの中から学習を行うため、思っているような回答が得られないケースもあります。そのため、参考情報を与えることによって、回答の精度を上げることが可能です。

たとえば、商品のPR文章を作成する場合は、商品の情報や仕様などを記載すると、それらを参考にして回答してくれます。しかし、会社における機密情報を学習させてしまうと、情報漏洩のリスクが高まるため注意が必要です。

参考情報は一般的に公開しても問題のない内容か、しっかり確認しておきましょう。

条件を指定する

回答の条件を指定すると、より精度が高くなります。例えば「1000文字以上」「小学生でもわかるように」などの条件です。

「20代の転職を考えている女性」といったように、具体的なペルソナを指定することも可能です。条件を加えていけば、より精度の高い回答が得られるでしょう。

表現や出力方式を指定する

文体が望んでいる形にならない場合は、「ですます調で」「畏まった文体で」などの条件を設けましょう。文章を使用するシチュエーションを指定すると、その場面に適した文体に変えてくれるのでおすすめです。

しかし、特殊すぎる条件は反映できない場合もあります。例えば「語尾に「〜ます。」が2文連続で続かないように」といった複雑な条件は、ChatGPTが理解できません。プロンプトに記載した表現や指定した出力方式をすべて遵守してくれるわけではないため、ある程度の手直しは必要と考えておきましょう。

追加で質問を行う

満足のいく回答が得られなかった場合は、追加で質問を行いましょう。ChatGPTは追加で質問を行うことで、それまでの内容を踏まえて回答をしてくれます。

1回の質問で理想の回答が得られなかった場合は、追加の質問で徐々に望んでいる答えに近づけるよう意識しましょう。

ChatGPTのプロンプトの活用例

ChatGPTのプロンプトはさまざまなシチュエーションで活用できます。具体的にどのようなシチュエーションで活用できるのか解説します。

文章の要約

「Webページの文章を要約したいです。次の文章を2〜3行のですます調の文章として要約してください」といったプロンプトを入力することで、文章の要約ができます。

さらに条件を設けることで、より精度の高い要約も可能です。しかし、ChatGPTに入力できる文章の量には上限があるため、長い文章の要約が必要な場合は、分割して入力するようにしましょう。

メールの作成

「顧客向けに新商品〇〇を紹介するメールの文章を200文字で考えてください」と入力すると、新商品紹介のメルマガに使える文章が作成できます。

メールの目的を入力しないと、シチュエーションが伝わらないため、望んでいるような回答が得られない可能性が高いです。
必ずどういったシチュエーションで利用するメールかわかるように、プロンプトを作成しましょう。

文章の校正

「次の文章の誤字脱字や表記ゆれなどがないかをチェックし、より良い文章になるよう添削をしてください。また、添削した箇所も教えてください」というように入力すると文章の校正が可能です。

しかし、ChatGPTの文章の校正は完全ではありません。特に、漢字が誤っている場合 (例:校正が構成、文章が文書など)は、理解できないことも多いです。

そのため、構成をChatGPTで行った場合でも、最後には自分で見直すようにしましょう。

【応用編】ChatGPTで使えるプロンプトの型

ChatGPTを使う際に知っておくと便利なプロンプトの型があります。よりChatGPTを効果的に利用できるようになるため、理解しておきましょう。

深津式プロンプト

株式会社THE GUILDのCEOである深津貴之氏が考案したのが、「深津式プロンプト」です。ChatGPTに回答条件を与えることにより、回答の精度を高めることを目的としています。

テンプレートは、以下の通りです。

# 命令書
あなたは、[A]です。以下の制約条件から最高の[B]を出力してください。
# 制約条件
・(例)400字以下で説明



# 入力文:
・[ここに文章を入力]
# 出力文:

[A]にはChatGPTに求める役割を指定し、[B]には出力してほしい文章を入力します。制約条件には、出力する際の条件を記載します。入力文には、ChatGPTへの具体的な指示を記載しましょう。

一例としては、以下の通りです。

■プロンプト

# 命令書
あなたは、[プロのコピーライター]です。以下の制約条件から最高の[キャッチコピー]を出力してください。
# 制約条件
・20文字以内
・商品名はイチゴケーキ
・ターゲットは講義終わりの大学生
・渋谷の駅から徒歩3分にお店を構えている
・絶妙な甘さなのにカロリーが比較的低いため女性に人気
・商品の特徴が分かりやすく表現されている
・ターゲットの購買意欲が促進される
# 入力文:
・商品のキャッチコピーを10個考えてください。
# 出力文:

■出力結果

1.“渋谷の楽園、絶品スイーツでリフレッシュ!”
2.“講義後の至福、低カロリーのイチゴケーキ”
3.“甘さ控えめ、罪悪感ゼロの大学生の味方”
4.“絶品イチゴケーキ、渋谷から3分で幸せへ”
5.“大学生のための、極上スイーツ体験”
6.“甘くてヘルシー、絶品イチゴケーキで癒しタイム”
7.“渋谷の隠れた宝物、イチゴケーキで満たす”
8.“低カロリーで大満足、大学生のお供に”
9.“絶品イチゴケーキ、渋谷で最高のご褒美”
10.“甘美なる誘惑、大学生の心をつかむ”

このテンプレートに当てはめるだけで、ある程度望んでいる文章を出力してくれます。ChatGPTを使う際には、知っておきたいプロンプトのひとつです。

ReActプロンプト

ReActプロンプトとは、質問したい内容に対し「推論→具体的な行動の考察→最終的な見解」の3段階で質の高い回答を得ることを目的としたプロンプトです。

テンプレートは、以下の通りです。

[質問したい内容を入力]
Thought :
Action :
Observation :

「Thought」は推論、「Action」は具体的な考察、「Observation」は最終的な見解にあたります。

一例としては、以下の通りです。

■プロンプト

これからAIの知見を深めて業務効率化に活かしたいと考えています。社会人がAIリテラシーを身につける方法について教えてください。
Thought :
Action :
Observation :

■出力結果

Thought :AIリテラシーを身につけるためには、まず自分の業務分野やAIの可能性や課題について理解することが重要です。
Action :
・オンラインコースやトレーニングプログラムを利用して、基本的な機械学習やデータサイエンスの知識を身につけましょう。
・実際の業務にAIを導入するプロジェクトに参加し、AIを活用した業務の効率化に関わることで、理論だけでなく実践的なスキルを磨きましょう。
Observation :
・AI技術は急速に進化していますので、業界の新しいトレンドやツール、アルゴリズムに対する敏感な観察が必要です。専門的なニュースや学術論文、業界イベントなどを追跡して知識を更新しましょう。
・同僚や業界の専門家との交流を大切にし、他の人の成功事例や課題から学ぶことで、より実践的で現実的な知識を得ることができます。

文章を入力すると、まずは推論を行い、どういった行動をするべきか列挙します。ChatGPTに推論から行わせることで、より精度の高い回答を得ることが可能です。

まとめ

ChatGPTでプロンプトを使いこなせば、ビジネスでより効果的に活用できます。とはいえ、ChatGPTをビジネスで活用する際には、企業秘密の流出に注意する必要があります。ChatGPTに企業秘密を入力してしまった場合、情報漏洩として顧客や取引先からの信頼を失ってしまうおそれがあるため、細心の注意を払いましょう。

※この記事は、2023年11月時点での情報です。