業務改善に向けた施策の具体例7選
ここでは業務改善に向けた施策の具体例を7つピックアップして紹介します。
1.業務のフローチャート/マニュアルの整備
業務のフローチャート作成は業務改善につながります。業務ごとにフローチャートを作成し、全体の流れを図解によって可視化することで、作業分担や従業員間・部署間の連携がしやすくなるためです。無駄な工程や作業を洗い出し、削減するのにも役立ちます。
また、従業員や部署ごとの業務内容を明確にしてマニュアルを作成すれば、業務のわかりにくい部分を理解しやすくなります。業務の標準化が図れるため質が向上するほか、業務の属人化も防ぐことも可能です。
2.RPAの導入
業務改善を目指すなら、RPA(Robotic Process Automation)の導入も検討してみましょう。RPAとは、同じ作業の繰り返しが多い難易度の低い業務をソフトウェアロボットに代行させる技術のことです。
売上の集計や経費の処理といった、単純であっても時間がかかる作業を代行させれば、それらの業務に費やしていた人手と時間をほかの業務に割り振れるようになります。ロボットが作業するので、入力ミスをはじめとするヒューマンエラーも起こりません。
ただし、数多くのRPAがあるため、業務内容や環境に合ったツールを選ぶ必要があります。また、業務プロセスに沿ったプログラムの設計・開発も必要です。
3.クラウドでの情報共有/管理
資料やマニュアルをクラウド上で共有・管理することも必要です。クラウド上に保管されていればオフィスの外にいても内容を確認できるので、情報を共有しやすくなります。
外回りや出張、リモートワークなどのときに、資料確認のために出社する必要がなくなるので、従業員の負担も軽減できるでしょう。
クラウド型業務アプリケーションを活用すれば、デバイスの種類や場所にかかわらず業務にあたれるため、業務効率の向上につながります。
4.業務改善ITツールの活用
タスク管理ツールやプロジェクト管理ツール、顧客管理ツールなどのITツールの活用も業務改善に一役買います。進捗確認などの煩雑な業務を最適化し、業務の自動化を推進しやすくなるためです。
また、チャットツールや資料を送信できるコミュニケーションツールを導入すると、社内の情報共有や交流の円滑化を図れます。
5.生成系AIを導入する
業務改善を目指すなら、生成系AIを導入するのもひとつです。生成系AIとは、動画や画像、文書などを生成できるAIのことです。
音声を生成して人間のオペレーターのような電話応対をする、WebサイトのUIやロゴを作成するといった使い方をしている企業もあります。
従来、動画や画像、文書などの作成には多くの時間とコストがかかっていました。しかし、生成系AIを活用すれば、時間やコストを削減しつつ魅力的なコンテンツが作成できます。
6.業務の一部をアウトソーシングする
専門性が高い業務を任せられる人材を集めるのは大変です。そのような人材を確保するために、採用や教育に時間とコストをかける必要があります。人手不足で悩む企業が多い昨今、募集をかけても採用計画通りに人が集まらないことも少なくありません。
このようなときに、アウトソーシングを活用すると社外の有用な人材を頼れます。アウトソーシングにもコストはかかるものの、社内の人的リソースが不足しているときに有効です。そのほか、自社にないノウハウを取り入れたいときにも活用可能です。
7.コンサルティングに依頼する
自社に合った業務改善方法がわからない場合は、業務改善コンサルティングを活用することも検討してみましょう。コンサルティングを活用すれば、専門家目線でのアドバイスや業務改善に向けた施策のサポートが受けられます。
コンサルタントによってスキルや得意分野が異なるため、自社の業界や規模に合ったコンサルタントを選ぶことが欠かせません。
業務改善の効果的な施策を考えるステップ
業務改善の施策に取り組みたいと思っているものの、何から始めたら良いのかわからない方もいるでしょう。そこで、業務改善の施策を考える際のステップ4つに分けて紹介します。
ステップ1|業務を可視化する
まずは、改善が必要な業務を洗い出すために、業務全体を可視化することから始めましょう。各担当者に直接ヒアリングし、業務フローや具体的な業務内容を把握します。
業務フローや業務内容を把握できたら、無駄な作業が含まれていないか、時間がかかりすぎている業務はないかなど、改善すべき課題を明確にしていきましょう。
ステップ2|目標を定める
課題が明確になったら、次に業務改善の目標を設定します。例えば「10月までに不良品率を5%以内にする」のように、具体的な数値を盛り込んだ目標を定めることが重要です。
ただし、高すぎる目標を設定しないよう注意しましょう。目標が高すぎると達成までに時間がかかりすぎたり、従業員のモチベーションが下がったりして失敗に終わる可能性が高まります。
一方で、目標が低すぎても達成感を得にくくモチベーションの低下につながるので、実現可能な範囲内で高めの数値を設定することが大切です。
ステップ3|施策の実行計画を練る
目標設定が完了したら、目標達成のための具体的な計画を練りましょう。スケジュールや施策の担当者、事前に準備すべきものなどを細かく洗い出します。
目標と同じく、無理なスケジュールでは失敗する可能性が高まります。従業員の負担も大きくなるので途中で行き詰らないように、リアルなシミュレーションをしつつ計画を練ることが大切です。計画が完成したら、さっそく実行しましょう。
ステップ4|効果を検証する
計画を実行したらそこで終わるのではなく、どの程度効果が出たかを測定する必要があります。一度の実行で完璧に改善するとは考えず、長期的な視点で業務改善を図ることが大切です。
改善が思うように進まないなど、何らかの問題が起きていたら計画を練り直し、施策を実行し直しましょう。
業務改善の施策を成功させるポイント・注意点
ここでは、業務改善の施策を成功させるために押さえておきたいポイントや注意点を紹介します。
「なぜ業務改善が必要なのか」を従業員に周知する
業務改善は担当者だけが頑張るものではなく、社内全体で取り組むべきものです。業務改善を行う目的や理由、メリットなどを全従業員に周知して、各自が当事者意識をもって協力できる体制を整えましょう。
優先順位を決める
業務改善に取り組み始めると、さまざまな改善点が見えてくるでしょう。まとめて改善しようとすると従業員に負担がかかり、かえって業務効率が落ちたりミスが増えたりするおそれがあります。
どの業務から改善すべきか優先順位を決めてひとつずつ取り組むことがポイントです。改善を図る業務を絞ることで、必要以上に負担をかけることなく業務改善を進められます。
長期的な視点をもつ
「今何とかなれば良い」という考えで業務改善を行うと、時間の経過とともに元に戻りがちです。
業務改善は、これまでの「当たり前」を変えていく作業です。成果を実感できるようになるまでに時間を要する場合も多いので、長期的な視点で計画を練り、実行しましょう。
まとめ
業務改善は生産性アップや顧客満足度向上、人手不足対策など、さまざまなメリットを得られる取組です。これまでのやり方を変えるのは大変ですが、結果的に企業の成長につながるものなので積極的に取り組んでいきましょう。
業務改善に取り組むにあたって自動化できる業務が多いと感じた場合は、生成系AIの導入を検討してはいかがでしょうか。動画や画像、文書なども作成できるため、業務効率アップに役立ちます。
下記の記事にて生成系AIの仕組みを紹介していますので、あわせてご覧ください。
※この記事は、2024年10月時点での情報です。