ChatGPTでキャッチコピーを生成する方法
ChatGPTでキャッチコピーを作成する際は、必要な情報をまとめた適切なプロンプトを入力します。
出力されたアイデアを確認したら、質問を繰り返したりフィードバックを与えたりしてブラッシュアップしていきましょう。
ChatGPTでキャッチコピーを生成する方法を詳しく解説します。
1.商品の概要をまとめる
キャッチコピーのアイデアを出力するには、まず商品の概要を整理する必要があります。
項目 | 内容 |
商品の特徴 | ・機能
・素材 ・デザイン など |
ターゲット | ・年齢層
・性別 ・興味関心 など |
ターゲットに伝えたいこと | ・使用するメリット
・解決できる課題 など |
ブランドイメージ | ・ターゲットに与えたいイメージ |
2.プロンプトを作成する
商品の概要をもとにプロンプトを作成します。
プロンプト例は下記の通りです。
あなたは経験10年のプロのコピーライターです。30~50代の女性をターゲットにした化粧水のキャッチコピーを5つ考えてください。
#目的
新しい化粧水のブランドイメージを高めるとともに、30~50代の女性に魅力を伝える
#情報
商品の特徴:当社比1.5倍の量のヒアルロン酸とセラミドを配合
ターゲット:30~50代の女性
ターゲットに伝えたいこと:単なる保湿ケアでとどまらない一歩先を行くケアができる
ブランドイメージ:肌の乾燥の先にあるシミやシワを防ぎたい女性のための化粧水
#ルール
化粧水の特徴やブランドイメージを反映させつつ、30~50代の女性がなじみ深い言葉を使用する
「#」は見出しを意味するマークダウン記法で、複雑な指示をする際に役立ちます。指示内容を把握しやすくなり、より回答精度が高まるといわれています。
上記をChatGPTに入力すると指定通り5つのキャッチコピーが出力されました。
「シミやシワを防ぎながら、自分らしさを輝かせる。」
「乾燥知らずの笑顔が、あなたの美しさを守る。」
「大人の肌に贈る、深い潤いの贅沢。」
「30代から50代の、美しさを育む極上の秘密。」
なおChatGPTは入力した情報を学習データに利用することから情報漏洩のリスクがあります。通常の利用であれば第三者へ漏洩することはありませんが商品名や企業名、個人情報などの入力には注意が必要です。
伏せ字にする、オプトアウトの設定を行う、APIを利用するなどで対策をしてください。
関連記事:「ChatGPTには情報漏洩のリスクがある?事例や対策を解説」
3.出力されたアイデアをブラッシュアップする
ChatGPTが出力したアイデアがいまいちなときは対話を繰り返してブラッシュアップしましょう。
「ほかにありますか?」「もっと独自性のあるアイデアが欲しいです」と伝えると新たなアイデアを再生成できます。
また好ましい言葉や希望と違っていた部分などをフィードバックすると、学習してよりイメージに合ったキャッチコピーを作成します。
フィードバックする際のプロンプト例は下記の通りです。
「30代から50代」という言葉を使って、ほかのアイデアを5つ考えてください。
4.商標権侵害にあたらないかをチェックする
キャッチコピーを作成するにあたっては商標権の確認が必要です。
原則としてキャッチコピーは商標登録を受けることはできませんが一定の審査基準(※)を満たしているものは商標登録が可能です。
商標権の侵害は偶然に一致したケースでも侵害行為として責任を負わなければなりません。
ChatGPTが出力したアイデアを活用する際は必ず人の手で最終チェックを行いましょう。
関連記事:「AIが著作権を侵害するケースとは?ビジネス利用で知っておきたい注意点」
※キャッチフレーズの商標登録に関する審査基準…特定の商品やサービスを識別する標識として認められる要素があることなど
《補足》キャッチコピーの作成に役立つChatGPTの使い方
ChatGPTを使ったキャッチコピーの作成についてアイデア出し以外の活用方法も紹介します。
下記の表にプロンプト例をまとめました。
目的 | プロンプト例 |
商品・サービスやターゲットに関連するキーワードを抽出する | #お願い 化粧水に関連するキーワードを抽出してください。 #ルール |
商品・サービスのペルソナを設定する | #お願い ヒアルロン酸とセラミドを多く使用した化粧水を求める30~50代の女性のペルソナを#出力形式に従って考えてください。 #出力形式 |
商品・サービスが提供できる価値(ベネフィット)を把握する | #お願い 自社の化粧水は他社製品と比べて下記の特徴があります。#出力形式に従ってターゲット向けにベネフィットを作成してください。 #特徴 #ターゲット #出力形式 |
キャッチコピーを生成できるAIツール
ChatGPTのセキュリティリスクを懸念するなら生成系AIツールの利用がおすすめです。
キャッチコピーの生成に役立つ機能を備えたツールや、デザインがシンプルで直感的に操作しやすいツールを選ぶとスムーズに利用できるでしょう。
ここからはキャッチコピーの生成に使えるAIツールを5つ紹介します。
Catchy
Catchy(キャッチー)は広告、資料、メールの作成に役立つ文章を生成できるAIライティングアシスタントツールです。種類と雰囲気を選択し、基本情報を入力するだけでキャッチコピーを生成できます。
種類は「短い」「長い」「比喩」の3パターン、雰囲気は「丁寧」「カジュアル」「大胆」の3パターンから選べます。
目的や希望するイメージに合わせて少ない情報でも簡単にキャッチコピーを生成できます。
利用料金は下記の通りです。
Free | Starter | Pro | Enterprise |
無料 | 3,000円~/月 | 9,800円/月 | 要問い合わせ |
※2024年8月時点
SAKUBUN
SAKUBUNはコンテンツ制作の業務に活用できるAIライティングツールです。テンプレートの項目に合わせて情報を入力するだけでキャッチコピーを簡単に作成できます。
プロダクト名と詳細のほかクリエイティブ度合いや生成数が選択できます。クリエイティブ度合いは独自性の高さを示し、「普通」「ややクリエイティブ」「クリエイティブ」から選択可能です。
出力結果は画面上で直接編集が可能なため、効率的にブラッシュアップできます。
料金は下記の通りです。
Personal | Light | Standard | Enterprise |
9,800円/1名まで/月 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
※2024年8月時点
Writesonic
Writesonic(ライトソニック)は、コンテンツ制作に活用できる生成系AIプラットフォームです。マーケティングに役立つ機能が揃っており、キャッチコピーの生成も可能です。
料金は下記の通りです。
Free | Chatsonic Pro | Individual | Teams | Enterprise |
無料 | 15ドル/月 | 20ドル/月 | 30ドル/月 | 要問い合わせ |
※月払いの場合
※2024年8月時点
Jasper
Jasperは多言語に対応しており、世界で10万以上の企業が使用しているAIツールです。50種類以上のテンプレートの中から目的に応じて選択し、情報を入力するだけで高品質なキャッチコピーを生成できます。
料金は下記の通りです。
Creator | Pro | Business |
49ドル/1シート/月 | 69ドル/1シート/月 | 要問い合わせ |
AI BunCho
AI BunCho(ブンチョー)は、タイトルを入力するだけでキャッチコピーを生成できるAIツールです。キャッチコピー生成のみの利用であれば登録不要です。利用料も無料なので気軽に使いたい方に向いています。
登録するとタイトルやプロットの生成、漫画作画などの利用も可能です。
エアスマAI(エアトリスマートAI)
「エアスマAI(エアトリスマートAI)」はあらゆる業務の効率化に活用できる法人向け総合AIプラットフォームです。ChatGPTと連携しておりキャッチコピーの生成も可能です。
そのほかメール文や社内資料、プレゼン資料の生成、議事録作成なども可能で利用する部署や職種に合ったテンプレートを利用できます。
マスキング設定や助手機能など安全な利用をサポートする機能を搭載しているためセキュリティも安心です。
AIを活用して「心に残る」キャッチコピーを作成するコツ
最後にキャッチコピーの作成におけるAI活用のコツを紹介します。
ターゲットは絞る
キャッチコピーを作成する際はターゲットを明確に絞ることが重要です。
ターゲットの属性・価値観・ニーズなどを具体的に入力することでより回答の精度を高めることができます。
ターゲットにとっての有用性(ベネフィット)を意識する
消費者は商品やサービスを購入することで、どのような利益を得られるかを考えます。そのためキャッチコピーを作るときは商品やサービスが解決できる課題や効果を強調することが重要です。
例えば健康食品・サプリメントのキャッチコピーを考える場合は健康や美容に興味があるターゲットの課題解決や満足感につながるポイントを考えます。
「肌本来の透明感を引き出す」「くすみゼロの肌に」など、メリットそのものではなく有用性(ベネフィット)に着目した言葉選びを意識しましょう。
伝えたいメッセージは1つに絞る
強く印象づけたい要素を明確にして、伝えたいポイントは1つに絞りましょう。
キャッチコピーに複数のメッセージを含めると何を伝えたいのかがわかりにくくなります。
例えば「潤いとハリを与えてシミのない肌へ」などのキャッチコピーは「潤いとハリを与える」「シミのない肌を目指せる」という2つのメッセージが込められており、商品の特徴が見えてきません。
一方で「潤いで満たす」というメッセージに絞ると保湿に特化した化粧品であることが伝わり、ターゲットが自分に合っているかを判断しやすくなります。
まとめ
ChatGPTをはじめとする生成系AIを活用すれば効率的にキャッチコピーを作成できます。
ChatGPTを利用する際はより回答精度を高めるために下記のポイントを押さえておきましょう。
・商品の概要を伝える
・フィードバックを与えて学習させる
・ほかのアイデアを提案させる
セキュリティが不安な場合は生成系AIツールを利用するのがおすすめです。
今回紹介したコツを参考に、心に残るキャッチコピーを作ってみてください。
※この記事は、2024年8月時点の情報です。